資産運用講座15)外貨預金について

2016/12/15

外貨預金について説明します。

外貨預金の仕組み

外貨預金は利息の低い日本の銀行での預金ではなく、比較的金利の高い外国の通貨で預金をする運用です。

日本では0.1%を切っている耳の垢よりも少ない利息ですが、国によっては6%と高利息な国もあります。

高利息な海外の銀行で運用する事で、利息収入を得るのが外貨預金です。

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外貨預金は国内の銀行で専用口座を開設すれば運用する事が出来ますので、始めようと思えば直ぐに始める事が可能です。

楽天銀行などのネットバンクの様に普通口座を持っている人は、専用口座無しで外貨預金を始める事が出来る所もあります。

 
運用方法は、

1、運用する国の通貨を選択
2、普通預金か定期預金かを選択
3、定期であれば期間を選択
4、日本円換算で幾ら分運用したいかを指定

というステップだけであり、通貨を選択する以外は日本の銀行に預ける場合と同じ手順なので非常に簡単です。

 
ちなみに、手数料は高めなので、為替差益を狙って売買する運用には適しておりません。

更に言えば、FXでも外貨預金と同じ運用が出来る上、手数料は外貨預金と比べると桁違いに安くなります

外貨預金をするのなら、レバレッジを掛けずにFXで外貨を購入した方が良いと思います。

詳しくは、「FXについて」の記事を参照してください。

外貨預金のメリットとデメリット

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■ 外貨預金のメリット

外貨預金のメリットは何よりも日本にはない高利息です。

また日本の銀行を考えてみればわかりますが、基本的に預けておくだけですし、預けている外貨ベースでの元本は保証されています。
(円相場変動による為替差損の可能性は有ります。)

また、普通預金であればいつまで預金していても構いませんので、円高になったら次に円安になるまで放置しておけばいいのです。

手軽さと高金利が一番のメリットでしょう。

■ 外貨預金のデメリット

外貨預金のデメリットは手数料が比較的高い事と、それにより短期売買に不向きな事が挙げられます。

手数料の説明に関しては「外貨預金の手数料」で説明しますが、幾ら為替レートが良い方に変動したからと言って、短期間で「預け入れ」と「引出し」を繰り返す事は無駄な手数料を支払う事を意味します。

外貨預金はあくまでも金利で利益を得る運用なので、為替変動で利益を得たいのであればFXが適しています。

外貨預金の手数料は為替レートで表現される為分かり辛いと思いますが、結構高めなのでちゃんと計算するようにしましょう。

一旦預けたら引き出さず、腰を据えて運用する事が大切です。

外貨預金のリスクとリターン

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■ 外貨預金のリスク

外貨預金のリスクは、先ず頭をよぎるのが為替差損です。

折角高い金利を求めて外国通貨で預金したのに、円高のせいで金利による利益が消し飛んでしまう事もあります。

また、カントリーリスクも考慮する必要があると思います。

南アフリカランド、中国元、メキシコペソなどは、政治や経済などの混乱により「通貨価値の大幅な変動」や「流動性の低下」、「市場機能停止の可能性」などが発生する恐れがあります。

この様な事態により、円の払い戻し対応が出来なくなる可能性もあります。

これらは、外貨を扱う取引全てで同じことが言えます。

また、外貨預金は預金保険制度の対象外です。
(金融機関の破綻時に1000万円までと利息を保護する制度)

破綻時の資産は分配されるのでゼロになる事はないと思いますが、元本割れにはなるでしょう。

■ 外貨預金のリターン

外貨預金のリターンは利息です。

利息の高い通貨程高いリターンを得る事が可能です。

もう一つ、外貨預金のオマケ的なリターンが為替差益です。

引出し時の為替レートが預け入れ時よりも円安に推移していれば、為替差益を得る事が可能です。

場合によっては金利よりも大きな利益になる可能性もあります。

しかし、その反面一歩間違えれば金利で得た利益を簡単に吹き飛ばしてしまうのも為替差損です。
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円高を確信した時に預金を始め、円安の時に引き出すようにし、為替差益も同時に狙って行きましょう。

外貨預金の手数料

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外貨預金は為替手数料が発生します。

この手数料は預金額に対してXX%と言う設定ではなく、銀行独自が設定する「円⇒外貨の為替レート(TTSレート)」及び「外貨⇒円の為替レート(TTBレート)」と実際の相場の差が手数料となります。
(TTSとTTBの差をスプレッドとも言います。)

例えば市場レートが1ドル115円の時に銀行のTTSレートが116円、TTBレートが114円であれば、1ドル当たり1円の手数料を支払う事になります。
(片道1円、往復2円)

楽天銀行などはTTSやTTBを使わず、「1ドル当たりの手数料」と表現していますが、同じ事です。

このTTSとTTBのレートは、一定時間毎に市場レートに沿って変動します。

手数料は店頭での預け入れは高く、ネットバンクでは安い傾向にありますので、安い銀行を選んで使う様にしましょう。

【手数料の例】

ネット銀行Aの場合:往復手数料0.5円
店舗型銀行Bの場合:往復手数料2円

30万円運用した時の手数料額

A社)往復手数料0.5円 ⇒ 1,301円(0.43%)
B社)往復手数料2円 ⇒ 5,173円(1.72%)

このネット銀行の場合、為替相場の変動が全く無い条件で、金利が0.43%以上で1年以上預けて初めて黒字となります。

店舗型銀行の場合は、為替相場の変動が全く無い条件で、金利が1.72%以上で1年以上預けて初めて黒字となります。

金利1.72%の通貨など、中々ありません。

手数料の影響は思った以上に大きいので、軽く見る事無くしっかりと確認しましょう。

店舗で運用する場合には、これ以外に「預け入れ時」と「引出し時」に手数料が掛かる場合もあります。

手数料だらけなので、高金利な通貨で運用しているにも拘らず、何時まで経っても利益が出ない可能性もありますね・・・。

外貨預金と税金

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利息は利子所得に区分され、源泉分離課税が適用されます。

税率は20.315%(国税15.315%、地方税5%)です。

為替差益があれば雑所得に区分され、総合課税の対象となります。
(税率は累進税率が適用)

よって為替差益は確定申告が必要となります。
(年収2,000万円以下のサラリーマンの場合は、給与所得以外の所得合計が20万円以下であれば確定申告が不要となります。)

【損益通算、繰越控除】
利息(利子所得)は源泉分離課税の為、他の損失との損益通算はできません。

為替差損益は同一年内に他の雑所得(総合課税)により発生した損益と損益通算する事が出来ます。

為替差損に関しては、翌年に繰り越す事はできません。

損益通算と繰越控除に関しての詳細は、次の記事を参照してください。

関連記事:
・損益通算に関しては、「損益通算」参照
・繰越控除に関しては、「譲渡損失の繰越控除」参照

高金利の宣伝に騙されない

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手数料の説明でも例を挙げましたが、外貨預金は手数料が高く、手数料により損失を被ってしまう恐れもある運用です。

為替変動も心配な所です。

銀行などは外貨預金の手数料収入を得る為に、「豪ドル7日間定期金利20%!(年利)」と大きく宣伝するかもしれませんが、20%と言う数字に騙されてはいけません。

定期預金期間が7日間であれば、8日目からは普通預金の金利です。

7日間の定期預金期間に増えるのは、0.38%だけです。
(20÷365×7=0.38)

しかも、日本から預け入れの時に限定される金利だったりします。

日本から預ける時は、為替手数料を取る事が出来ますからね。

数字に惑わされず、自分が運用する期間を決めたうえで手数料と利息と税金を計算し、キッチリとシミュレーションをして、想定通りの利益を得る事が出来そうかを確認しましょう。

国別金利情報

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国別金利を一覧で表示する予定でしたが、取扱銀行によって全く異なるので断念しました。

数社例を挙げますと、次の通りです。

■ 定期預金金利比較(1万ドル、1年定期)

通貨 みずほ銀行 三菱東京UFJ銀行 ジャパンネット銀行 楽天銀行
米ドル 0.55% 0.5% 0.655% 0.2%
豪ドル 0.8% 0.6% 1.505% 1.8%

■ 普通預金金利比較

通貨 みずほ銀行 三菱東京UFJ銀行 ジャパンネット銀行 楽天銀行
米ドル 0.25% 0.2% 0.11% 0.01%
豪ドル 0.3% 0.3% 0.4% 0.5%

■ 手数料

通貨 みずほ銀行 三菱東京UFJ銀行 ジャパンネット銀行 楽天銀行
米ドル 2円 0.5円(窓口の場合2円) 0.1円 0.5円
豪ドル 5円 1円(窓口の場合4円) 0.6円 0.9円

・手数料は1ドル当たり往復の手数料です。
・三菱東京UFJ銀行の括弧無し手数料表記は、ネットからの注文です。
・金利、手数料は変動します。2016年12月7日時点での情報です。

■ 金利の高い国順ランキング

現時点で金利の高い順に通貨を並べます。

1、南アフリカランド
2、ニュージーランドドル
3、オーストラリアドル
4、人民元
5、アメリカドル
6、イギリスポンド
7、ユーロ
8、スイスフラン
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※取扱銀行によって異なるので注意してください。

南アフリカのランドなど、1年定期預金で年率6%です。
(楽天銀行2016年12月7日時点)

カントリーリスクが高いからか、ランドを扱っている銀行は多くは無いようですが・・・。

現実的な所で考えれば、オーストラリアドルでの運用が金利も高めでカントリーリスクの心配も少ないでしょう。

外貨預金を考えているのであれば、くれぐれも運用期間と手数料、税金の計算をして、利益のシミュレーションをする事を忘れない様にしてください。

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