資産運用講座11)株式投資について

2016/12/14

株式投資について説明します。

株式投資の仕組み

企業が事業資金集めの為に発行する株式を購入する事で、その会社の株主となります。

株主となり企業からの配当を得たり、株式自体を売買する事により利益を得る投資が「株式投資」です。

株主は資金を出している為、会社のオーナーとしての権利も得る事ができ、保有株式数が多くなると会社の重要事項決定に対する議決権も得る事が出来ます。

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株式の購入や売却は個人で行う事はできませんので、証券会社が代行して行います。

売買できる株式は証券取引所へ上場している企業の株式だけです。

東京証券取引所には、「一部」「二部」「マザーズ」「JASDAQ」という4つの市場があります。

大雑把に「一部」は大企業で安定した会社、「二部」は中小企業で一部よりは安定性に欠けるが成長の可能性を秘める会社、「JASDAQ」「マザーズ」は新興企業で大きな成長の可能性を秘めているが、不安定さも残す企業です。

株式投資のリスクとリターン

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株式には3種類のリターンがあります。

1、売却益(キャピタルゲイン)

株式は企業の業績や将来性、投資家の心理などにより価格が変動します。

1株1000円で購入していても、投資家の評価が高くなれば1100円や1200円に値上がってゆきます。

 
「1000円で100株購入したA社の株価が、1200円となったので全て売却した。」

この場合、購入時は100株で10万円ですが、売却時には100株で12万円となっておりますので、差額2万円が売却益となります。

ここから手数料が引かれ、税金を引いた金額が投資家の利益となります。

 
大きなキャピタルゲインを狙うには、可能性を秘めた新興企業が上場しているJASDAQ(ジャスダック)マザースの銘柄を購入すると良いでしょう。

但し、大きく値上がりする可能性もありますが、新興企業である為評価を落として一気に株価が下がる恐れもありますので注意が必要です。

2、配当

配当は企業から株主に対する利益の還元であり、保有株数に応じて定期的(基本的には年一回)に支払われます。

配当を行っていない企業もあります。

配当金額は会社の利益から捻出されますので、業績が悪ければ減少したり無配になったりする事もあります。

 
株式を長期的に保有する場合には配当金で利益を得る為、株価が多少上下しても一喜一憂しない様にしましょう。

但し、業績によっては株価が急降下し戻らない場合もありますので、企業のニュースや業績をこまめにチェックし、ヤバいと感じたら売り抜ける判断も必要です。

例えば家電メーカーのシャープなどは、以前は1株2000円くらいありましたが、今では100円か200円。

売りのタイミングを逃すと、配当金以上に損失を被りますので注意が必要です。

3、株主優待

株主優待は、配当金と合わせて企業が株主に対して行う優遇制度ですが、株主優待の無い企業もあります。

一定数の株式を保有していることが条件になると思いますので、確認が必要です。

配当金も良く株主優待の魅力的な銘柄は人気がある為、株価は高く推移する傾向にあります。

但し、株価は値下がりさえしなければ、売却時に戻ってくるお金です。

高くても、「これだ!」と思う銘柄は購入するようにしましょう。

 
どうせ株主優待でその会社の商品がもらえるのであれば、日頃利用する会社の株主になると良いでしょう。

例えばイオンの株主になれば、株主優待としてキャッシュバックサービスや割引サービスがあります。

マクドナルドは食事券、コカ・コーラはジュース、ライオンは日用品一式など。

ただ、購入の判断は株主優待だけでなく、業績や評判、株価推移などの総合的な確認も忘れずに。

株式投資の手数料

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株式は売買する度に証券会社へ手数料の支払いが必要となります。

これは、売却時に株価が値下がりして損失が出ていても、同じ額の手数料が取られますので注意が必要です。

店舗型の証券会社とネット証券では手数料が異なります。

■ 店舗型

一般的に店舗型では、相談に乗ってもらったりアドバイスを求める事も出来るのですが、手数料は割高です。

口座開設にもお金が掛かりますし、口座管理費を取られる事もあります。

■ ネット証券

それに対してネット証券では、アドバイスを得る事はできませんが、手数料は割安(10分の1程度!)です。

口座開設も口座管理費も無料です。
(会社に寄るかもしれませんので事前に確認してください。)

■ 証券会社選びの注意

ついでに証券会社を選ぶときの注意点です。

手数料が高いとそれだけで利益が飛んでしまう事もありますので、安い会社を選ぶのは大前提です。

初心者なので、手数料が高くても窓口でわからない事を聞きたい。」と思うかもしれませんが、止めときましょう。

証券会社もビジネスですし、担当者もサラリーマンで営業成績が重要です。

あなたが良く知らない事を逆手に取り、貴方にメリットのある商品よりも、会社にメリットのある商品を購入するように誘導するでしょう。

なので、初心者でも始めるならばネット証券が間違いなくお勧めです。

 
ちなみに、最安値水準の手数料は「GMOクリック証券」と言う証券会社です。

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株式投資と税金

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株式投資を行うと運用益に対して税金が掛かります。

税率は、売却益と配当金の両方共に20.315%(国税15.315%、地方税5%)ですが、それぞれの扱いが異なります。

【売却益】
売却益は譲渡所得に区分され申告分離課税の対象となりますので、確定申告が必要になります。
(「分離課税」に関しては、後ほど説明します。)

【配当金】
配当金は配当所得に区分され、次の3つの課税方式を選択する事が可能です。

1、総合課税
 総合課税の場合は「配当控除制度」を利用しましょう。

2、申告分離課税
 確定申告により納税

3、確定申告不要制度
 源泉徴収により納税

ちなみに、国税15.315%は2037年までの予定で、2038年以降は15%となります。
(0.315%は東日本大震災の復興特別税)

■ 運用口座について

申告分離課税での確定申告の手間を省く為、証券会社などで口座を開設する際には特定口座(源泉徴収有り)を選択すると便利です。

特定口座の対象となるのは申告分離課税方式の譲渡所得です。

特定口座(源泉徴収有り)で運用すれば、証券会社などで税金を計算し源泉徴収してくれますので、投資家は税金に関しては何もする必要ありません。

ちなみに特定口座は一旦選択してしまうと、その年の中途では変更する事が出来ませんので注意しましょう。

 
証券会社などで開設できる口座は、この特定口座と一般口座がありますので、それぞれの違いを説明します。

【一般口座】
一般口座で運用する場合、投資家自身が年間の損益を計算し、確定申告を行う必要があります。

【特定口座(源泉徴収無し)】
源泉徴収無しの特定口座で運用する場合、年間の損益計算は証券会社が行います。

その損益計算書(売買損益報告書)が証券会社から送られてきますので、投資家自身が確定申告を行い納税します。

【特定口座(源泉徴収有り)】
源泉徴収有りの特定口座で運用する場合には、証券会社が源泉徴収により納税を行う為、投資家は確定申告を行う必要ありません

しかし、本来年間の利益が20万円以下であれば非課税となりますが、源泉徴収有りの特定口座で運用する場合には証券会社により納税が終了してしまう為、20万円以下でも税金を支払う事になってしまいます。

 
3つの中では「源泉徴収有りの特定口座」が手間が掛からないので、初めての方はこの口座で始めましょう。

そして、運用しながら税金の勉強をし、翌年の運用では必要に応じて口座を変更する様にしましょう。

ちなみに、源泉徴収有りでも確定申告はできますので、下で説明する「譲渡損失の繰越控除」は可能です。

■ 譲渡損失の繰越控除

年間を通して株などの売却益がマイナスだった場合、翌年以降の利益から控除する事が出来ます。

これを「譲渡損失の繰越控除」と言います。

株式の売買において損失を出した場合、翌年以降最長3年間にわたってその損失を穴埋めできるまでは、利益が出ても税金が掛からない制度です。

但し、4年目以降に持ち越す事はできない為、4年目以降は通常通り課税されます。

 
例えば、株式の売却にて50万円の損失を出した場合を考えます。

今年 1年目 2年目 3年目 4年目
売買損益 -50万円 +10万円 +5万円 +10万円 +10万円
損失繰越額 -40万円 -35万円 -25万円
税金 0円 0円 0円 0円 通常通り課税

翌年~3年目まで利益が出ていますが、最初のマイナス50万円と合計してもプラスに転じておりませんので、税金は掛かりません。

4年目以降には持ち越しできませんので、通常通り税金の支払いが必要です。

今年 1年目 2年目 3年目 4年目
売買損益 -50万円 +40万円 +25万円 +10万円 +30万円
損失繰越額 -10万円 +15万円
税金 0円 0円 15万円に対して課税 通常通り課税

翌年と2年目の利益が合計で65万円であり、最初のマイナス50万円と合計するとプラスに転じています。

プラスに転じてからは通常通り税金の支払いが必要です。

この譲渡所得の繰越控除を受けるには確定申告が必要になります。

株式だけでなく他の投資商品も一緒に運用している場合、下で説明します損益通算後の損失額が繰越控除の対象額となります。

■ 損益通算

損益通算とは、投資において発生した利益と損失を合算する事です。

利益と損失を合算する事で、損失分への課税を避ける事が出来るようになります。

証券会社1社で源泉徴収有りの特定口座で運用している場合には、証券会社で損益通算してもらう事ができますので、確定申告は不要です。

2社以上の証券会社を利用している場合には、確定申告にて損益通算する必要があります。

例えば、証券会社Aは30万円の売却益が出ているが、証券会社Bでは-20万円の売却損失が出ている時、損益通算により譲渡所得は10万円となります。

その為、課税対象額は10万円となります。

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源泉徴収有りの特定口座で運用している場合には、証券会社Aで発生した30万円の利益に対して源泉徴収により納税済みである為、確定申告にて損益通算を行い、払い過ぎた税金の還付を受ける様にしましょう。

 
全ての投資商品が損益通算できるわけではなく、合算できるのは基本的に同じ税区分の所得だけです。

損益通算が可能な範囲をグループ分けすると次の通りです。
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グレーで囲われた損益は、互いに損益通算可能です。

■ 申告分離課税と源泉分離課税

税金は基本的にすべての収入を総合して、累進税率に基づき課税されます。

これを総合課税と言います。

しかし、特定の種類の収入に対しては、別収入として税金を計算する事があり、これを分離課税と言います。

分離課税の中には2種類の課税方式があります。

1、申告分離課税
これは申告(確定申告)する事で納税を行う課税方式です。

2、源泉分離課税
これは、源泉徴収により納税を行う課税方式です。

投資による収入は基本的にこの分離課税であり、利益の種類(売却益か、配当金か、償還金かなど)により申告分離課税か源泉分離課税かに分かれます。

ただし、どちらの方式でも特定口座(源泉徴収有り)で運用する場合には確定申告は不要となり、証券会社などによる源泉徴収により税関係は終了します。

 
税金に関しては年収や配偶者控除を始めとする様々なケースがありますので、不要な税金をビタ一文取られたくない人は、税理士や税務署へ相談する様にしましょう。

短期投資か長期投資か

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株式投資を行うには、短期間で売買を繰り返す運用方法と、長期間保有して配当金や株主優待を得る運用方法があります。

この特徴やメリットを説明します。

■ 短期投資

短期運用は株価の上下が激しい銘柄を、値下がりのタイミングで購入し、株価が上昇したら売り抜けて利益を出します。

売買を繰り返す事で小さな利益を積み重ねる運用ですが、手数料は売り買いの度に発生しますので注意が必要です

大きな値上がりがあれば短期間で大きな利益を得る事も出来ますが、逆に大きく値下がりした場合には損失も大きくなります。

短期間運用だと頻繁に株価の値動きを確認しなければなりませんので、忙しい人には不向きです。

■ 長期投資

長期間の資産運用に向くのは、この長期投資です。

長期間保有し続けて、配当収入や株主優待を得る事を目的とします。

なので、配当金や株主優待が充実している銘柄を選ぶようにします。

当然株価が上昇したら売却する事も可能で、売却益で別の有望銘柄を購入するのも良いでしょう。

売買を頻繁に繰り返さない事から、手数料があまり掛からないのも利点です。

運用する場合には長期間保有する事が前提なので、多少の株価変動に一喜一憂しない様にしましょう。

お値打ち銘柄の探し方

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短期運用であれば、業績よりもチャートの値動きや上昇トレンドを掴んで購入すればよいでしょう。

長期投資は、企業の業績や将来性が高い割りに注目度の低い「お値打ち銘柄」を探す事が一番大切です。

それに加えて配当金や株主優待も見落とさない様にしましょう。

EPS、PER、BPS、PBR、ROE、株価チャート、株価指数などの株価指数や経営指数を分析する事でこの「お値打ち銘柄」を発見する様にします。

ネット証券では、これらの指数の分析結果を表示してくれるツールもあります。

■ 分析が難しい場合

業績や将来性を分析するのが難しいのであれば、過去10年間くらいの長期に渡って株価変動の少ない銘柄を選びます。

もしくは、過去には株価が高かったが現在は低い水準で推移している銘柄です。

低い水準でずっと推移しているという事は、今の水準より下がる心配は余り無いと考えても良いと思います。

円高、円安、震災、原油高など様々な経済環境が変わっても変動しないという事は、それがその企業の底値と考えられます。

逆に過去には低かったが、現在高値で推移している銘柄は止めましょう。

今がピークで、これから落ちてゆく可能性が高いでしょう。

株式投資を考えている方に伝えたい事

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始めるまでには、色々と知らなければならない事があります。

上に書いた事は基本的な内容で、実際に証券会社に口座開設して運用を開始しようとすると、更にわからない事が沢山出てきます。

信用取引?貸株サービス?成り行き注文?なにそれ?おいしいの?」ってなります。

しかし、勉強して完璧になってから始めようとしていたら、いつまで経ってもスタートできません。

株式投資がしたい!

と思ったら、先ずはやってみる事をお勧めします。

 
先ずは最少限の金額で、基本的な取引だけをやってみる。

始めるまでに全て理解しておく必要がある様に思えますが、分からなくても実際に投資をしてみる事で、「重要な事」と「余り重要でない事」が分かるようになります。

そして、やっているうちに疑問が湧いてきますので、解決しようと自然と調べる様になるのです。

この様に一番理解が早いのは、先ずは始める事です。

基本だけ抑えたら後は経験値を積む為に、とにかくスタートしてみましょう。

 
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